最後の街、ミザンテフェリからはガタガタ道。通り過ぎる街は村になり、集落になり、何もなくなっていく。国土の大半を占めるエチオピア高原もここらで終わり、景色は高い木々の森から、低い木が転々とするサバンナへと変わった。首都アディスアベバは少し寒いぐらいだったのに、ここまで来るとTシャツでも汗をかく。南部諸民族州は民族ごとに区域が分けられているようで、国境のような検問を越え、とうとうやってきた未開のスリの地。布一枚の人々とすれ違い、いちいちテンションが上がる。今回僕らが滞在するのは、スリ族の村のはずれの川岸の森。こんな奥地まで観光客はほとんど訪れないようで、先客はドイツの写真家さん一人だけ。早速集まってきたスリの人々に挨拶をし、テントを張り、ちょっと緊張の辺境滞在が始まる。
Tabi
18,34